TribalCacaoのチョコっと話 7:文章で伝えることの難しさ

 

最近、各所でお話し聞かせてください。や書いてください!というお話しをよくいただきます。そこで、お店の差別化ポイント(こだわり)などを教えてください。などとあるのですが、そもそもこの話をいただく際に何故うちでなければいけないのか?という点に答えはあるのでは?と思ったり、また、私自身がスパッと伝えられない事にまだまだ甘いところがあるのかなと思ったりします。

端的に言えばチョコレートで世の中を良い方向に変えたい!となるのですが、それだけだと何か説明不足で胡散臭い気がしてます。
実際に書きたい事を全て書けば下記のようになります。が、伝わる文章になっていないのではないかと正直不安にもなります。

 

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お店の差別化(こだわり)という点では、コレ!と言う事が難しいと思います。

どこも本質的には価値を伝えるという意味で同じような事をしているので。ただ、完成度や打ち込み具合で言えば何処にも負けない。負けたくないという思いがあります。それはただの対抗意識だけではなく、チョコレート・カカオを楽しむ文化を定着させたい思いが根底にあります。

お店のこだわりを聞かれたり語る際に、分かりやすい例としてビーントゥバー手法の店として紹介もされますが、そのうちビーントゥバーチョコレートという言葉が当たり前になれば看板から自然と消えていくかなと思います。というのは、よくある例ではコーヒーと聞けば自家焙煎の美味しい特別なコーヒーが現在では当たり前だったり、クラフトと言えば丁寧に良い物づくりをしている。などのイメージが容易につくまで定着していると思います。歴史を振り返ればそこまでのこだわりを持って提供する店はさほど多くなかったと思います。定着して当たり前となり、より高いレベルを求める人が増えて、そのモノのレベルが上がり認識が変わっていく。
そして看板から自家焙煎の文字が消えていく。

楽しむ文化を定着させるには手法や形やトレンドだけを唄うのでは、流行り廃りですぐに消えてしまいます。食べ物という枠の中では、美味しさが当たりまえの時代の現在では美味しくて個性を感じる。そんなチョコレートの価値を伝える仕事が必要であり、嗜好品として楽しむ文化を育んでいくためにはまだまだ修行が足りないと日々悩んだり落ち込んだりしています。

元々私はチョコレートには5年前までまるで興味が無かったのです。チョコレートの世界に手を付けるまでは、バーでのお酒をたしなんだり、自家焙煎のコーヒーやこだわりのカフェなどを巡って、美味しいものや空間を提供して人を楽しませる仕事に魅力を感じていて、いつか自分もカフェ的なものをやりたいと曖昧で漠然とした考えしかありませんでした

チョコレートを手掛けるようになったのも、日本に最近クラフトチョコレートが入ってきてお店が出来てる!というところから興味を持ち、実際にチョコレートって身近だけど、もう自分たちで作れるような楽しみ方が出てきたのか!と当時は大変驚きました。また、カカオのお豆を焼いて砕いてチョコレートにする作業の手間に苦労し、美味しいチョコレートについて真剣に悩む日々でした。

チョコレートは面白い。何故面白いと思ったのか?

チョコレートで価値を感じて貰う事はどうしたら出来るのか?

何を提供すれば喜んでもらえるか?

全てに意味を求める必要もないとは思いますが、心配性な私は、普通のチョコレートと比べてやっぱりお客さんが納得して買って欲しい。普通のチョコレートとの違いを明確に感じられるチョコレートを提供したいという思いでした。そして、更には欲張ってチョコレート1枚でその人に幸せになってもらいたい。思いを馳せる深みがあるチョコレートにしたいとドンドンチョコレートの魅力(沼)にハマっていきました。

日本では、ここ10年で考えれば、今までまったくチョコレートをカカオ豆から楽しむという文化はありませんでした。それが今では、日本各地で小さなカカオ豆からチョコレートを作ることで、遠い生産地への思いを馳せられるような深みのあるチョコレートが作られています。

チョコレートを楽しむことで、驚きや発見や感動
小さな幸せを手にして欲しい。
そして、それがチョコレート以外にも広がるんじゃないか?と気づいた時には更に真剣にチョコレート作りに打ち込めるようになりました。

チョコレートという日常に定着した商品から違いを感じて貰うのは非常に難しいです。美味しくて当たり前。プラスでの特別な個性を感じて貰えるようにひたすらに追及しています。

カカオ豆を焼く温度、産地、配合、練る時間、パッケージング、店頭での説明など。そして、流通に関わる全ての人と同業のチョコレート作りをする方々。最近では生産者の名前を出したり地域をもっと知ってもらうためのワークショップなども手掛けるお店も多々あります。産地へのリスペクトも当たり前の時代になってきてます。今後は特別を定義する違いのポイントから学んで気づきのある商品提供を。それをチョコレートでやりたい。こだわる人を増やして世の中の価値の感じられるものをもっと増やしたい。チョコレートは世の中のもの全てを良い方向に向けていく力がある。全く興味の無かった私が今ではここまで思う程のパワーがあると感じています。

 

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書き終えて感じる事は、文章にして伝える力も当然大事なのは分かるのですが、そのままを味わって欲しいという熱い強い思いがある事にも悩みます。それは押し付けなのかどうなのか。多分主張であって、最後は読み手の読み取り方次第なるとは思うのですが…

理系理系と言われますが、結構直情的なところを持ってて、自制しなければという思いと、それも大事にしたいという思いと抱えています。物づくりに関しては特に自分のフィーリングを持って、甘えの無い商品づくりが大事だと確信しているからです。












この記事を書いた人:橋本 直樹(はしもと なおき)

1991年生まれ。若い頃から一人で柏のバーや飲食店を回るのが趣味。理系の大学に通いながら、様々な国と地方、国内地域を巡り都内のチョコレートショップで1年半の修行の後、2018年10月から柏市でカカオ豆からチョコレートを作るお店(TribalCacao)をオープン。
高校の頃には山岳部で自然大好き人間。

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