ー 手賀沼のほとりで ー
高城煙火店は、手賀沼から歩いて数分のところにあります。私で5代目。明治時代から100年以上続く煙火店です。「手賀沼花火大会」や、千葉県北西部近郊の花火を中心におこなっています。
私が小さなころ、箕輪地区一帯は林や森に囲まれた里山で、虫や生きものと遊んでいるのが楽しかったです。住宅開発が進みましたが、まだ自然が残るのんびりとした場所です。
花火には、花火大会などの観賞用と、昼間の行事のときの(音)だけのものがあります。少量の花火の場合は、簡単な手続きで打上げ可能ですが、花火大会に使う、火薬量が多い花火の場合は各種申請が必要になります。花火を製造する工場の場所や建物にも厳しい制約があり、全国的に製造もしている工場は減少しつつあります。
― コロナ禍で生まれた地域とのつながり ―
緊急事態宣言が出された2019年から、「手賀沼花火大会」をはじめ、大規模な花火大会が行われなくなったのですが、柏市内でも小規模な花火の打上げがあり、学校関係、町会の皆さんとの交流が増えました。去年は、麗澤大学の学生さんが企画したプロジェクトで、花火を打上げさせていただきました。
学生の皆さんの熱意が伝わってとても楽しかったです。打上げ場所を探すのにとても苦労して、それでも諦めずに探して。結局大学構内で打上げることができたので、学生さんにとっても近所の方々にとっても、いつもと違う花火として楽しめたと思います。
― 花火大会がある風景―
昔と比べて、今は街並みが明るいので、花火の色も明るくしようという方向になっています。金属を多くして明るくするのですが、その結果燃えにくくすぐ消えてしまいます。花火師の仕事は、それぞれの工程で難しい点がありますが、打上がった時に真円で綺麗に出るように、星(黒くて丸い火薬)の並べ方や、火薬の量を調節するのが難しく、花火師を10年やっても満足いくということはありません。
今年は4年ぶりとなる「手賀沼花火大会」なので、花火の構成も新しいものにしたいと思っています。花火が打上がった時の、皆さんの歓声や「良かったよ!」という感想をいただいた時は、一番うれしい瞬間です。柏の皆さんに、今年こそ花火を楽しんでいただけるよう、安全で楽しい花火大会を提供したいとスタッフみんなで頑張っています。