柏市では土地利用の変化や地下水の過剰な利用などで、湧き出し量が減ったり枯れてしまった場所や、谷津の田んぼの埋め立てなどで失われてしまった名も無い湧水がたくさんあります。地下を通って湧き出す湧水は、年間通じて水温変化が少なく、15 度前後で夏は冷たく、冬は暖かく感じます。この環境でしか生息できない生きものが、長い年月にわたり、命を繋いで生きています。人との湧水のかかわりも深く、伝説の巨人「でいだらぼっち」の足跡は湧水地として現在も伝わっています。イボが取れる、体調が改善する、などの効用が伝わる湧水もありました。もし、自分の住んでいる近くに湧水があるなら、それがどこからきて、どこに流れていくのか想像してみるのも楽しいですよ。そこにどんな生きものが生息しているのか、ぜひ探してみてください。
今回は、なかでもアクセスしやすい 4 つの湧水の中から【こんぶくろ池湧水】をご案内します!
〈ナビゲーター〉川瀬 美幸さん (文章中『M』)
〈同行人〉いなば(文章中『稲』)
柏の葉キャンパス駅から探検スタート!
徒歩 21 分
距離 1.7km
周辺のこんぶくろの森が涵養域。雨が降ると湧水量が増える。降水量に左右されやすい。常総粘土層の浅いところを流れる湧水。
住所 千葉県柏市中十余二 399-1
電話 04-7132-8800
開園時間 終日利用できます。
休園日 なし
※電話は平日市役所に転送。土日祝日の日中のみ管理人在園。
こんぶくろ池自然博物公園 HP によると、こんぶくろ池自然博物公園は都市に残された広さ 18.5ha の貴重な自然の森です。園内にはその森林を育ててきた湧水こんぶくろ池・弁天池があります。平坦地に地下水がしみ出すタイプの珍しい湧水で、周辺の森は湧水によって周辺環境より気温が低い為、冷温帯の植物なども生息しています。また湿地林に生息する珍しい昆虫類の確認されており、都市化が進む地域では稀有な自然環境が広がっています。
M:森一帯の地下水位が高いために、夏でも木陰はまわりの気温にくらべ低く感じられます。ふつうなら冷温帯(北海道南西部~東北)に生息する植物(ズミ・サワシロギク・クロツバラ・クロウメモドキなど)もみられるんですよ~。
M: 交尾中のナミアゲハを発見!!お取込み中ですがじっくり観察させてもらいましょ~♪森の周りの開けた場所ではアゲハチョウやシジミチョウの仲間もよく見かけますよ。
M: ノウサギは普段は姿を見ることはできないですが私は数回遭遇してます!運が良ければ出会えるかも?ノウサギフンは香ばしい匂いでまったく臭くありません。そしてとても軽いのです~
稲:ノウサギがこの辺りにいると聞いただけで、ワクワクします!
M: コナラの樹液酒場は虫たちに大人気です!この日はサトキマダラヒカゲやクロカナブンが来店。カブトムシやクワガタも常連客です。もちろんオオスズメバチも~
こんぶくろ池・弁天池湧水がある「こんぶくろ池自然博物公園」では、
NPO 法人「こんぶくろ池自然の森」の方々が自然環境を守りながら魅力を伝える活動をされています。
一般の方も参加できる、きのこ観察会やワークショップなど様々なイベントが開催されています。
一度訪れてみてはいかがでしょうか?(稲)
株式会社トキワ
NPO 法人 かしわ環境ステーション
NPO 法人 こんぶくろ池自然の森
千葉県自然観察指導員協議会
いなば
kamonかしわインフォメーションセンタースタッフ
二重顎と三段腹を所有。最近五十肩も取得。バブル世代のちょっと下の世代。
10 歳の娘とアウトドアに挑戦してみたいと思っているが、一緒に「あつ森」にはまり中。