柏市では土地利用の変化や地下水の過剰な利用などで、湧き出し量が減ったり枯れてしまった場所や、谷津の田んぼの埋め立てなどで失われてしまった名も無い湧水がたくさんあります。。地下を通って湧き出す湧水は、年間通じて水温変化が少なく、15 度前後で夏は冷たく、冬は暖かく感じます。この環境でしか生息できない生きものが、長い年月にわたり、命を繋いで生きています。人との湧水のかかわりも深く、伝説の巨人「でいだらぼっち」の足跡は湧水地として現在も伝わっています。イボが取れる、体調が改善する、などの効用が伝わる湧水もありました。もし、自分の住んでいる近くに湧水があるなら、それがどこからきて、どこに流れていくのか想像してみるのも楽しいですよ。そこにどんな生きものが生息しているのか、ぜひ探してみてください。
今回は、なかでもアクセスしやすい 4 つの湧水から【増尾湧水】ご案内します。
〈ナビゲーター〉川瀬 美幸さん (文章中『M』)
〈同行人〉いなば(文章中『稲』)
柏駅から探検!
JR 柏駅東口から、東武バス 新柏駅行き
または南柏駅東口行き
「名戸ヶ谷」下車
徒歩 10 分
オニヤンマ幼虫やサワガニも見られる生きもの達の貴重な湧水。
カルシウムイオンを多く含む。手賀沼が海だった頃の水︖
住所 千葉県柏市名戸ケ谷 782-5(増尾湧水)
増尾湧水は、増尾城址総合公園の自然林に降り注いだ雨が、公園北側の斜面林からの清水が岩の間から湧湧き出しています。湧水の周辺はビオトープが広がり、休日には家族連れがザリガニや小魚をとったりして、賑わっています。公園にはアスレチックやバーベキュー広場の施設もあります。公園の南側にある増尾城址は鎌倉時代から戦国時代にかけて築かれた城山の跡地です。
M: あの鉄塔の近くに湧水が沁みだしているんですよ~︕
この日は猛暑で、一番暑い昼間の時間帯だったからか、辺りは静かでほとんど人がいませんでした。
(ハーモニカを吹いているおじさんがひとり)帰り道、ふと振り返ると木立が見送ってくれているようでした。
住宅街からほど近い場所なのに、まるで遠足に来たようです。
身近で自然観察できるなんて驚きです︕(稲)
株式会社トキワ
NPO 法人 かしわ環境ステーション
NPO 法人 こんぶくろ池自然の森
千葉県自然観察指導員協議会
いなば
kamonかしわインフォメーションセンタースタッフ
二重顎と三段腹を所有。最近五十肩も取得。バブル世代のちょっと下の世代。
10 歳の娘とアウトドアに挑戦してみたいと思っているが、一緒に「あつ森」にはまり中。