柏市では土地利用の変化や地下水の過剰な利用などで、湧き出し量が減ったり枯れてしまった場所や、谷津の田んぼの埋め立てなどで失われてしまった名も無い湧水がたくさんあります。。地下を通って湧き出す湧水は、年間通じて水温変化が少なく、15 度前後で夏は冷たく、冬は暖かく感じます。この環境でしか生息できない生きものが、長い年月にわたり、命を繋いで生きています。人との湧水のかかわりも深く、伝説の巨人「でいだらぼっち」の足跡は湧水地として現在も伝わっています。イボが取れる、体調が改善する、などの効用が伝わる湧水もありました。もし、自分の住んでいる近くに湧水があるなら、それがどこからきて、どこに流れていくのか想像してみるのも楽しいですよ。そこにどんな生きものが生息しているのか、ぜひ探してみてください。
今回は、なかでもアクセスしやすい 4 つの湧水から【名戸ケ谷湧水】ご案内します。
〈ナビゲーター〉川瀬 美幸さん (文章中『M』)
〈同行人〉いなば(文章中『稲』)
柏駅から探検!
バス柏駅東口より東武バス(5番乗り場)
「名戸ヶ谷行き」「新柏行き」で「名戸ヶ谷」下車すぐ
※駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用ください。
涵養域が広く湧水量も安定している。
毎年たくさんのニホンアカガエルの卵の産卵が見られる。
住所 千葉県柏市名戸ヶ谷 927-2
柏市環境整備課 HP によると、名戸ヶ谷ビオトープは、名戸ヶ谷周辺地域に残された谷津の一部と湧水を活用して整備することで、都市化が進んだ柏市において、かつてこの地域に存在した風景を現代に残す自然あふれる湿地環境となっています。このような環境の保全は、湿地を好む生きものが生息する場を残していくことだけではなく、その生きものを捕食するために別の生きものが来訪するといった生態系の循環を生み出すことも目的としているそうです。
このビオトープは、地権者や近隣住民、市から管理運営を委託している市民団体「名戸ヶ谷ビオトープを育てる会」など、多くの市民の方々から多大なるご協力をいただくことで維持されています。
また以下のページにも情報が掲載されています。
稲︓水田には一年を通して、昆虫や魚類、両生類や爬虫類、そしてそれを食べにくる鳥類もみられるそうです。湧水のまわりは、たくさんのいきものが生息していて、それは人間のものだけでなく植物やいきものにとっても、かけがえのない大切な資源なのだと思いました。M︓その他にも、ご紹介したい場所はたくさんありますが、民有地で許可なく入れなかったり、湧水場所までのアクセスが困難だったり…。今回訪ねた 4 箇所は、柏市の公園や管理団体が保全している場所で、アクセスも容易で湧水を間近に見ることができる場所です。
柏にも湧水があるの︖一体どんなところにあるのだろう︖と、行く前からワクワクしていました︕
湧水が湧きでている場所って、山深い秘境のような場所というイメージでした。
探検させていただいた場所は、住宅街のそばにありながら自然環境が保全され、そして多様な生きものが生息していることを知りました。
上下水道設備ができるまでは、生活のそばに湧水や井戸があるのは当たり前でその頃は、湧水を守る自然と人との距離がとても近かったのだと感じました。
※今回、久しぶりに歩いた畦道で、足元がおぼつかない自分に驚きました。(稲)
株式会社トキワ
NPO 法人 かしわ環境ステーション
NPO 法人 こんぶくろ池自然の森
千葉県自然観察指導員協議会
いなば
kamonかしわインフォメーションセンタースタッフ
二重顎と三段腹を所有。最近五十肩も取得。バブル世代のちょっと下の世代。
10 歳の娘とアウトドアに挑戦してみたいと思っているが、一緒に「あつ森」にはまり中。