今回のまち旅は柏市を飛び出して、野田市を巡ります。
野田市と言えば、お醤油のまち。そして醤油産業にまつわる歴史のあるまちです。
どんな素敵な発見があるか楽しみですね。
今回は『むらさきの里 野田ガイドの会』の方にご案内をしていただきます。
むらさきの里 野田ガイドの会は、平成16年に野田市教育委員会主催 野田市生涯学習ボランティア養成事業「むらさきのさとガイドボランティア養成講座」の受講生の方々で立ち上げられた、野田市市民会館を拠点に活動するボランティアガイドグループです。
・街歩きガイド(予約制/2週間前まで)
・土・日・祝日の市民会館常駐ガイド
・出前によるスライドガイド(予約制/1か月前まで)
など、幅広く活動をされています。
街歩きガイドは、5種類のお勧めコースがありますが、時間・コースなど、お客様のご希望に沿う形でコースの組み立てもしてくれます。
豊富な知識とわかりやすい資料を使って、ご案内いただけるので、野田市散策が何倍にも楽しくなりますよ♪
【お問合せ・ツアーのお申込み】
「むらさきの里 野田ガイドの会」のガイドは、野田市郷土博物館・市民会館へ電話、FAX、eメールでお申し込みください。
電話 04-7124-6851
FAX 04-7124-6866
野田市駅から、キッコーマン株式会社の稲荷蔵や中央研究所、琴平神社などお醤油のまちの歴史風景をながめながら、興風会館をめざします。
琴平神社はキッコーマン創業家の一つ、柏屋二代当主茂木七郎右衛門が、創業一族の茂木・髙梨家と野田町民の安全繁栄を祈願し勧請された社です。
通常は参拝公開されていませんが、毎月10日のみ開門されています。また、毎年11月10日には例祭が行なわれ12年に一度、申年に大祭が催されます。
ガラス張りのキッコーマン株式会社野田本社を通り過ぎると、すぐ興風会館です。
【キッコーマン株式会社野田本社】
住所:野田市野田250
TEL:04-7123-5111
【琴平神社】
住所:野田市野田339
興風会館に到着です!
興風会館は、茂木・髙梨の一族が野田の地で醤油醸造を約300年にわたって継続発展し、事業を拡張できたことに感謝し、地域社会への還元・貢献の活動拠点として、昭和4年(1929)に建てられました。
竣工当時は、千葉県庁に次ぐ大建築であったといわれ、建築様式はロマネスクを加味した近世復興式のものです。
かつてはここで、結婚式や披露宴も行われていたそうです。
現在は、最大506人の客席を持つ大講堂や集会室、地下ギャラリーがあり、市内の文化、体育関係の事務局がおかれています。
また、平成9年に国の『登録有形文化財』に登録されました。
装飾が印象的な、大ホールでは、名だたる有名人が講演会やコンサートを開催してきました。
現在もハンドベルなどの市民サークルのコンサートや著名人の講演会まで、様々なイベントが開催されているので、イベント情報もチェックしてみて下さいね。
https://www.kouhoo1929.or.jp/category/event/
※ヨーロッパおよびアメリカ合衆国(ニューヨーク)を中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行、発展した装飾の一傾向
【興風会館】
住所:野田市野田250
TEL:04-7122-2191
開館時間:9:30~16:00
閉館日:月曜日・第2木曜日・祝祭日
HP:https://www.kouhoo1929.or.jp/
上花輪歴史館は、上花輪村に古くから居住し江戸時代には当村の名主であり、また醤油醸造を家業としていた髙梨兵左衛門(たかなし ひょうざえもん)家[髙梨本家]が、永年に渡って保存してきた歴史的価値の高い居宅・庭園・土蔵・屋敷林・社祠等と、その中に収蔵されていた生活用具・醸造用具・地方文書・醸造文書等を一般に公開して、郷土の歴史と文化を研究する一助にしていただきたいという想いから、平成6年に開設されました。
展示館の中に収められているものばかりでなく、屋敷全体が展示物になります。
大切に伝承、保管されている資料はいずれも髙梨家で出生し髙梨家に保存されていたもので、ここに存在しているから価値があるというものばかりです。
伝承されてきたのは、建物や資料だけではありません。
当主は代々「髙梨兵左衛門(たかなし ひょうざえもん)」を名乗るという伝統があり、出生時のお名前から、当主になられる際に改名されるのだそうです。
武家屋敷では、この門のことを長屋門(ながやもん)と呼びますが、髙梨家は武家ではないので『門長屋(もんながや)』と呼んでいます。
上花輪歴史館では、季節にあわせて様々な行事や企画展が開催されていますが、訪れた時期の6月は端午の節句飾りが住宅棟で開催されていた為、こいのぼりの竿の先につける風車が展示されていました。
年間予定はコチラ
門長屋を抜けると、玉砂利の敷かれたお庭に出ます。
この玉砂利の周囲の庭石や書院前庭の飛び石などに使われている鞍馬石は、雨が降ると赤っぽく色が変り、また違う面持ちを見せてくれるそうです。
天気によって表情が変わるお庭、素敵ですね♪
さらにその先の数寄屋造棟を抜けていくと、書院のお庭が広がります。
こちらは黒松と柏を主木とする邸内でもっとも格式の高い庭となります。
上花輪歴史館は今でも、季節に合わせて、旧暦(月遅れ)で年中行事を行なっています。
6/5の端午の節句飾りの際には、表玄関に軒菖蒲を飾り、このお庭の柏の葉を使った柏餅を作ります。葉を塩漬けにしていないので香りの良い柏餅だそうです。(今年度はたまたま6/5が休館日のため、6/4(日)に行いました。)
お屋敷の裏手には構堀と船着場があり、かつてはここから船に乗って移動されていたそうで、現在でいうプライベートポートです。
では、実際に醤油の醸造に使われていた道具が展示されている展示棟へ向かいましょう。
上花輪歴史館/国指定名勝「髙梨氏庭園」展示棟
当時の仕込みに使われていた道具や、髙梨家で醸造された醤油が幕府の御用醤油であったことを示す資料など、髙梨家の醤油醸造に関する貴重な資料や道具については、この展示棟で見ることができますが、撮影禁止となっています。
上花輪歴史館に行かれた際には、ぜひゆっくりと展示棟の中もご覧になってください。
【上花輪歴史館/国指定名勝「髙梨氏庭園」】
住所:野田市上花輪507
TEL:04-7122-2070
開館時間:開館10時。4月~9月は閉館17時。3月、10月~ 12月は閉館16時
閉館日:月曜日・火曜日。その他、夏季休館・冬季休館 あり
そろそろお腹が空いてきたので、ランチを食べに行きましょう♪
今回は地元の方に人気の『VERY』さんでランチをいただきます。
映画マニアのオーナシェフ 髙梨さんとフロアチーフ(笑)です!
店内には、オーナシェフの髙梨さんが集めたり、プレゼントされた映画にまつわるグッズが所狭しと飾られています。
ポスターにはなんと俳優さんの直筆サインが入ったものも!
どこを見ても楽しくてお料理を待つ時間もあっという間です。
店内の映画グッズに紛れて、とっても貴重なミッキーがいるので、探してみて下さいね。
お料理が運ばれてきました~。
お腹がペコペコだったので、がっつり系のポーク生姜焼きを。
ピリッとした生姜の風味でご飯が進みます。
他にも美味しそうなメニューがたくさんあるので、また来たいと思います。
そして…
お会計後にトイレを探して、店内をうろうろ。
男性用は発見しましたが、あれ!?女性用は??
自力で見当たらない場合には、綾瀬はるかちゃんか、お店の人に聞いてみてくださいね。
【VERY】
住所:野田市野田273
TEL:04-7123-3569
営業時間:月、火、木~日: 11:00~15:00 17:00~23:00
定休日:水曜日
さぁ!お腹を満たしたら、午後はお買い物タイムです。
1919年(大正8年)4月創業なので、なんと100年以上の歴史があります。
とね川やえど川などいろいろな種類がありますが、迷ってしまう私のような人には、いろいろ入った「おおかわやいろいろ」が嬉しいです。
【野田せんべい 大川や】
住所:野田市野田261
TEL:04-7124-2461
営業時間:8:30〜19:00
定休日:無休
こちらも先ほどの大川やさんと同じく、1919年の創業の酒屋さんです。創業以来、地域に愛されるお店としてお客様からお電話があればその日に配達し、お米やビールなど、重たいものはお台所や倉庫の中まで運んでくれます。
まるでアニメの「サザエさん」に出てくる三河屋さんのような、地域密着のきめ細やかな心遣いが嬉しいお店です。
さすがお醤油のまち、柏のスーパーでは見かけないお醤油が多いですね。
白いパッケージに赤い文字で“生”と書かれた「長期熟成生醤油」は日野屋さん限定商品となります。
【日野屋】
住所:野田市野田278
TEL:04-7125-6622
営業時間:08:30~20:00
定休日:無休
HP:https://www.hinoya278.com/shop/
創業は江戸時代、嘉永元年(1848年)の老舗和菓子屋さんです。
お醤油の樽の形をした「樽最中」が看板商品で、定番の粒あん、白あんをはじめ
6種類の最中が並びます。新発売の醤油バター樽最中、気になります~。
【丸嶋屋 本店】
住所:野田市野田355
TEL:04-7122-3111
営業時間:9:00〜18:00
定休日:元旦のみ
ツアーの最後は、野田市郷土博物館と野田市市民会館です。
野田市郷土博物館は昭和 34年(1959)に開館した、千葉県で最初の登録博物館となります。
正倉院の校倉造をイメージしたと言われる建物は、京都タワーや日本武道館の建築家として知られる山田守の設計で、山田守建築の特徴である滑らかな曲線が柔らかい印象を与える内装となっています。
令和3年(2021)に、国登録有形文化財に登録されました。
1階では年に4回企画展や特別展示が開催されています。
2階の常設展示は、2023年4月29日にリニューアルされたばかりです。
階段を登ってすぐ右側に配置された高瀬船の模型は、川の浅瀬も航行しやすくするために平らな船底であることを来館者に見て欲しいという学芸員の方の想いから、この位置になったそうです。
学芸員さん達のこだわりが随所につまった展示を、ぜひ現地でご覧になってみて下さいね。
野田市郷土博物館と同じ敷地内にある野田市市民会館(旧茂木佐平治邸)は、野田の醤油醸造家である茂木佐平治氏の邸宅で、大正13年(1924)頃に建築されてから昭和20年代後半まで実際に生活が営まれていました。
その後、野田市に寄贈され、昭和32年に市民会館として開館しました。現在でも市民の文化活動の拠点やCMやドラマのロケなど、幅広く活用されています。
【野田市郷土博物館・野田市市民会館】
住所:野田市野田370-8
TEL:04-7124-6851
開館時間:9:00~17:00(貸部屋は21:00まで)
休館日:火曜日(祝日の場合は開館)年末年始(12月29日~1月3日)・博物館は展示替え期間
一日かけて、野田市をめぐってきましたが、いかがでしたでしょうか?
駅を降りるとすぐにキッコーマン株式会社の工場があり、大豆を蒸す香りや麹の香りなど1日の中でも違う香りがする野田市駅。
まちを歩いてみると、お醤油産業にまつわるいろいろな施設が、今も大切に残されていて、歴史の深さを感じます。
また、醤油醸造家の方々の地域貢献度の高さにも驚きました。
皆さんもぜひ、お出かけになってみて下さい。
【取材協力】
野田市PR推進室