現在柏市は,人口43万人を超える千葉県北西部の中核都市として発展を続けています。契機となったのは、明治29年、鉄道の開通による柏駅の開設でした。近代的なタワーマンションが次々に建設され、駅前の景観は日々変化を遂げています。ところで意外ですが、江戸時代の柏村は、水戸街道に沿って民家が点在し、旅人が小休止する茶店が2~3軒立ち並ぶ、のどかな村でした。今回の歴史散歩は、変貌する街並みの中に残る意外な歴史を柏駅から訪ねます。(前半)
そのまま「旧水戸街道」の方へ。
【野馬土手】と【木戸】
このあたりは、平安時代から軍馬の生産地域として有名でした。優れた軍馬を持つことは戦いや護衛などにとても重要で、江戸時代になると徳川家康が下総(チーバ君の頭らへん)の【牧(馬の放牧地)】を本格的に整備しました。柏駅周辺も【牧】が広がり、付近に住む人々は馬が農地に入ってこないよう、2m以上の馬よけの土手【野馬土手】を築いていました。牧の中には水戸街道が通っていましたので【野馬土手】に【木戸】を置き、【牧】のまわりをぐるっと回らなくても、通行できるようにしていたました。柏市内には今でも【野馬土手】の名残や【木戸】とつくバス停がいくつかあります。
道なりに旧水戸街道へ出て、柏神社へ。
柏神社
柏市内の字羽黒台(あざはぐろだい)から移ったとされ、『千葉県宗教法人名簿』(平成元年)には、羽黒神社の社名で登録されています。羽黒山は山形県の出羽三山(月山・湯殿山・羽黒山)の一つで、月讀命(つくよみのみこと)・大山津見命(おおやまづみのみこと)・大物主命など、三山の神々を合祭する神殿が鎮座しています。柏神社にはこれらの神々と、京都八坂神社の主祭神である素戔鳴命(すさのうのみこと)が合祀されています。この神様は、祇園精舎を守護し、疫病退散の神である牛神天王(ごずてんのう)と同一視されていましたので、江戸時代の村絵図には「天王」と記されています。柏村が誕生した江戸初期に、流行した疫病を鎮めるためにこの地に祀られたのでしょうか。『神社明細帳』には「古老ノ伝言二聞クニ、正徳四年創立開闢」とあります。
柏神社
住所 柏3-2-2
TEL 04-7163-4259
柏神社ホームページ
明治天皇休憩地
明治17年(1884)明治天皇は女化原(おなばけはら・現茨城県牛久市)で行われた近衛兵の大砲演習を天覧するため、水戸街道を行幸。ここに建っていた、柏村の寺嶋家で休憩をとられた。寺嶋家は柏村の草分けで、代々村名主を務め、寛永期の古文書には「かしわ村 五兵衛」と見られる。
長全寺の歴史について(HPより引用させていただいております)
長全寺は天正3年4月25日、松戸市広徳寺5世、巧室梵藝大和尚を勧請し、曹洞宗寺院として開山しました。その後15世紀以来この地域で勢力を張っていた戸張氏の菩提寺として栄え、寛永年間頃に戸張村の香取神社近くから現在地へ移転しました。明治25年、火災によって焼失した柏小学校を同寺へ移設した他、大正14年に東葛中学校(現・東葛高校)校舎を境内に竣工するなど、柏市の教育へも積極的に貢献し、今も地域と共にその歴史を刻んでいます。
御本尊様は釈迦如来像、両脇侍は普賢菩薩像、文殊菩薩像。この他、当寺鎮守金毘羅大権現、大日如来等の堂宇が境内に数多く有りますが、中でも四国霊場と同胎の弘法大師像を安置した堂宇が特徴的です。弘法大師が祀られる堂宇は境内に2つ有り、四国88ヶ所霊場に由来する東葛印旛送り大師講の1番、60番札所として知られています。 昭和31年に金毘羅宮落成遷宮式、昭和41年に本堂を竣工し、昭和43年に平和観音開眼、同年2月20日寺格を格地へ昇等、昭和49年に山門(仁王像・四天王像)を落慶しました。
(長全寺ホームページへ続きます)
曹洞宗 戸張山 長全寺
住所 柏6-1-9
TEL 04-7167-2420
長全寺ホームページ
お腹がすきましたね!すぐ近くの美味しい「蔵゛っぱ(グラッパ)」さんへ!
柏駅東口からサンサン通りを旧水戸街道の方へ。長全寺さんの向かい側にある美味しいと評判のお店です。
地元のファンも多く、常連さんから愛されているお店。ご来店の際にはお電話してから行かれるのがオススメです。
今回はランチタイムにお伺いさせていただきました!
ディナータイムのお料理は、常連さん曰く「これは絶対食べたほうが良いっ!」という太鼓判つきのメニューがたくさんありますよ。
蔵゛っぱ(グラッパ)
住所 柏3-10-18
TEL 04-7167-1789
幸町弁才天
社伝によれば、元々は築比地村(埼玉県松伏町か?)の大きな酒問屋に祀られていた神様でした。迎えた嫁が日頃から熱心に信心していて、夫が重い病に侵されたときも、奇跡的に回復するなど、弁天様の霊験によって一家は繁昌していました。ある晩、嫁の夢の中に弁天様が顕れ、ここより東の地に移り、人々を救いたいと告げ、この地の祀られるようになったのです。昭和46年の柏駅東口の再開発によって、若干移動しましたが、市街地の一角に鎮座し、地元の人々から信仰を集める弁天様です。
柏の古文書や石像をず~っと調べて40年。
柏の歴史って素晴らしいので、ぜひお知らせしたいと思っています。