現在柏市は,人口43万人を超える千葉県北西部の中核都市として発展を続けています。契機となったのは,明治29年,鉄道の開通による柏駅の開設でした。近代的なタワーマンションが次々に建設され、駅前の景観は日々変化を遂げています。ところで意外ですが,江戸時代の柏村は,水戸街道に沿って民家が点在し、旅人が小休止する茶店が2~3軒立ち並ぶ、のどかな村でした。今回の歴史散歩は、変貌する街並みの中に残る意外な歴史を柏駅から訪ねます。
諏訪神社
字天神台から移ったとされ、祭神は建御名方命(たけみなかたのみこと)で、併せて大物主命・菅原道真・火雷神(ほのいかづちのかみ)を祀っています。『神社明細帳』には「古老ノ伝言二聞クニ、寛永三年創立開闢」とあります。明治41年山王神社以下の小社5社を合祀し、明治43年それまで諏訪社と称していたのを、諏訪神社に改称しました。本殿に向かって、左側から奥にかけて立ち並ぶ石塔群は庚申塔です。健康長寿を願って、柏村の人々の手で、短期間に造立されました。
柏総鎮護 諏訪神社
住所 柏市柏5-7-7
TEL 04-7167-8234
諏訪神社ホームページ
八木重吉歌碑(東葛高校)
東葛高校の敷地に、国道6号に面して八木重吉の歌碑が建てられています。八木重吉(1898~1927)は大正・昭和前期の詩人で、明治31年東京府南多摩郡堺町(現町田市相原町)に生まれ、東京高等師範学校英語化を卒業後、教員となります。大正14年(1925)、開校間もない東葛飾中学校(現東葛飾高校)に赴任し、同年『秋の瞳』を刊行。佐藤惣之助主宰の『詩の家』の同人となるなど、活躍していきます。しかし翌15年、結核を患い最後の授業で「キリストの再来を信ず」という言葉を残し学校から去っていきました。キリスト教詩人として業績を残した重吉は、昭和2年、茅ケ崎の寓居で没しています。29歳の若さでした。
重吉が赴任したころ、このあたりには小金牧の名残の原っぱが、広がっていました。子供たちと原っぱを散歩し、自然をテーマとした美しい詩を発表していったのです。
香取神社
明治2年、新政府の窮民授産などを目的として行われた、小金牧開墾によって誕生した豊四季村の鎮守の一つです。本社は香取市の香取神宮で、明治22年に勧請されました。例年11月には境内に合祀されている大鳥神社は、昭和37年、大阪堺市に鎮座する大鳥大社からの勧請です。繁栄と火難防除の神様として、例年11月、酉の市が開かれ、大勢の人々で賑わいます。
香取神社
住所 旭町2-7-23
TEL 04-7144-0955
香取神社ホームページ
柏の古文書や石像をず~っと調べて40年。
柏の歴史って素晴らしいので、ぜひお知らせしたいと思っています。