ドイツ人留学生マルテの『つながるまち歩き』3:100人シェアハウスでの新しい暮らし方

まちレポNo.
1
マルテ
マルテ
Detjens
デットジェンス

kamon

スタッフ

プロフィール詳細

English Version:The 100: One House, One Family

『絆家 #HASH196 柏:世界の食卓』100人シェアハウス

今年(2019年)6月に柏でモダーンな大型シェアハウスが扉を開いて、マルテももちろん早速訪ねてきました。シェアハウスの共用スペースや部屋を案内してもらって、シェアハウスの運営会社『株式会社 絆人(きずなと)』の代表・平岡さんにインタビューをして、住んでいる人の一人からいろいろなお話を伺いました。柏の100人シェアハウス『絆家 # HASH 196 柏』では、世界の料理がひとつのテーマとなり、日本人と外国人が一緒に暮らし、一緒に経験をし、一緒に未来を築いていきます。ぜひ、一緒にシェアハウスの世界を覗き込みましょう。

#hash196とは何ですか

「ハッシュタグを名前につけた意味は、それぞれの“好き”がつながって、自分の“好き”を誰かが好きになって、誰かの“好き”が自分の好きになって…というイメージです。このシェアハウスに住んで、たくさんの“好き”を新しく見つけてもらえるような場所になったら良いという思いを込めています」(平岡代表)

日本が認める世界の国は196カ国です。196カ国の異文化、食事、人間の性格、シェアハウスに住まないと経験できない人間のつながりが大切されている場所です。なるべく多くの国のご飯が食べられる暮らしを目指して、オープンから1カ月ぐらいしか経ってないのに(7月上旬現在)、住んでいる人がすでに30カ国の料理を作ってみたと聞いて、「意欲強いね〜」と思いました。

その他、2日ごとにご飯の会が行われて、参加する人と一緒に食べたり、仕事などで直接参加できなくても一人分を取っておいてもらって、帰ってからでも世界のごはんを楽しめます。キッチンやリビングは常に賑やかそうで、一緒に食卓を囲む仲間がいます。

国際感のあるシェアハウスを目指す

部屋の3分の1は外国人枠として決まっています。つまり100人中66人程度は日本人、34人程度が外国人になります(7月上旬時点では日本人40人、外国人7人程度)。異文化や言語に触れ合い、国際色に溢れる暮らしの空間ができたらとても楽しそうです。

普通の家では体験できない暮らし

最初にシェアハウス内を案内していただきました。キッチンとダイニングのエリアに入る瞬間、溶けるチーズの塩っぽい香りが鼻に入って、キッチンで数人の住民が集まって一緒に料理をしていました。ダイニングルームだけで30人ぐらいが食事を一緒にできます。キッチンもすごく広くて、「レストランのプロのキッチンみたい」と羨ましく思いました。モダーンな色やデザインの家電もたくさん揃えられています。共用の冷蔵庫に食事会や他のイベントの残りが入っていて、無駄のない生活で素晴らしいと思います。

隣のリビングスペースで住民が集まって、一緒に映画やドラマを観て、ソファでリラックスしながら本を読んで、おしゃべりに夢中になれます。いくつもの過ごし方のパターンを想像して、心がわくわくします。映画やドラマを大人数で観たいなら、次の部屋のシアタルームのほうが良いですよ。プロジェクターのでっかいスクリーン、シアタルームのアコースティックが素晴らしくて、角にギターを見つけたら、すぐ弾きたくなってきました。遊びじゃなくて、仕事ですから、結局はギターをちゃんと我慢しましたけど…

用意されているいろんな工具や画材で何かを作ったり、絵を描きたい人なら同じ1階にあるアトリエを自由に使えます。「羨ましいなぁ…、私もアトリエが欲しい」と思いました。下記の写真の絵も住民の一人が描いたと言われました。

勉強や仕事に集中したければ、図書館のような雰囲気のワークスペースも完備です。

シェアハウスには若い人や独身しか住んでいないようなイメージの人がほとんどだと思いますが、『# HASH 196』なら違う!

「結婚してもシェアハウスに住める、子育ても居心地の良いシェアハウスで皆と一緒にできる。価値観の広い子どもに育てたいと思っている家族に、その選択肢の一つとして住まいを提供したいと思います」(平岡代表)

その生活をサポートするために、現在1階の広い空間が子ども遊び場「キッズルーム」としてリフォームされています。まだ施工途中の段階でしたが、どうなるか楽しみにしています。

シェアハウスの部屋って

2階から4階までは実際の部屋になります。2階は家族向けなどの男女共用、3階は女子専用、4階は男子専用になります。2つのタイプの部屋があって、一人部屋とドミトリースタイル。落ち着いた暮らしができて、各一人部屋にベッドと押入れ、冷蔵庫もご用意してあります。ドミトリーの部屋でも2段ベッドではなく、カーテンを閉めて一人になれるプライベートブースのような作りです。旅の人や少ない個人スペースでも大丈夫な人なら安心して暮らせると思います。

マルテも日本に来て5年間ぐらいシェアハウス(4人で一軒家)に住んでいましたが、トイレや朝のお風呂はいつも小さな戦いでした。1階に住んでいた私が、朝急いで支度しなきゃ行けなかったのに、わりと長くお風呂に入る人がいました。2階から足音が聞こえるとダッシュで早起きして、着替えを持って、上の人が降りてお風呂に入る前に部屋を出て先にお風呂に入らないと、バイトや学校が間に合わないようなストレスが日常的でした。

『#HASH196』ならその問題がなさそう。昔はある企業の独身寮だった建物で、各階にトイレやお風呂、シャワールームが3つずつあります。朝でも支度のストレスがなく、皆が仲良く暮らしているようなシェアハウスだと住んでいる人に教えてもらいました。

新たな精神の暮らし

「アクセスとか間取りとか日当たりとかではなくて、誰とどんな暮らしをするか。その人と人のつながりすごく価値を感じています。人との出会いで人生は変わると思っているからです。」(平岡代表)

『#HASH196』に住むため、東京の一人暮らしをやめて、柏にわざわざ引っ越してくる人も多いらしいです。絆人のシェアハウスに住むメリットは家賃節約、アクセスなどのような物理的な面ではなさそうです。同じ趣味や目標、目指す未来が合う人が集まり、一緒にいろいろなパッションや夢を追いかけたいと思っている人が集まる場所です。

シェアハウス運営会社「絆人株式会社」の平岡さん(代表)

想像力を活かして、モノづくりをするか、アーティストとして向上するか、自分の夢を形にしたいか。決まっている真っ直ぐな人生のレールより、交わっている、さまざまなディスカバリーが待っている小道を歩みたい人が、絆人のシェアハウスに自由な生き方を求めていると感じました。

最初から『#HASH196』に住んでいる那須さん

絆人のシェアハウスは3つの特徴を持って、住民の人々の生活、精神、人生を支えている:

  1. 第二の家族を作って、安全・安心な暮らしができること
  2. 新しい学びがある環境を持っていること
  3. 一人ならできないことを仲間と一緒につくり上げて、新たな体験を一緒にすること

社会と社会のつながり

ここに生活に必要な要素がすべて揃って、人間関係が大切にされている環境です。ある意味でシェアハウスの中に小さな社会が成り立っています。しかし、そこで終わりではなくて、絆家の小社会が柏のまちづくりやイベントにもかかわってきて、お互いを理解し合うために活動したい人が多いです。わざわざ東京や他のまちから引っ越してくる人が柏に暮らして、柏の市民活動に参加して、柏の市民になります。いろいろな背景を持っている人が集まって、柏をさらに文化的に、そして国際的に盛り上げようとしています。

左から:マルテ(私)、平岡さん、那須さん

基本情報

絆家ウェブサイト
日本語:kizunaya-s.com
English:kizunaya-s.com/en

掲載情報は2019年06月30日の取材時のものです。

掲載内容が変更になる場合もございます。あらかじめご了承ください。

写真:絆人株式会社

この記事を書いた人

ドイツ出身

麗澤大学
東京大学

kamon

スタッフ

マルテ
マルテ
Detjens
デットジェンス
プロフィール

2012年から在日しているドイツ人留学生のマルテです。マルちゃんで大丈夫です。

麗澤大学を卒業して、今は東京大学の柏の葉キャンパスで研究しています。

柏の優しい人が大好きです。柏の色々な場所やイベントを取材して、さらに柏のこと好きになりました。
記事や写真を通して、柏の綺麗な自然と人々の活動を紹介して、他の人も柏のこと好きになることを願っています。

参考サイト

その他の記事