魚やヤゴやカエルとなかよし2:来年で20年! 「用水路で魚とり! 手賀沼親子自然観察会」は大盛況

柏マニアNo.
24
手賀沼水生生物研究会
テガヌマスイセイセイブツケンキュウカイ
プロフィール詳細

 私たち手賀沼水生生物研究会(手水研)は年2回、手賀沼に注ぐ大津川近くの用水路で、親子自然観察会を行っています。

名づけて「用水路で魚とり!」。今年度は第1回を6月8日(土)に開催しました。

初めて開催したのは2006年です。

小学校低学年の息子たちと手賀沼沿いの遊歩道に犬の散歩に出かけたとき、ふと水路を見たら、澄んだ水の中にマツモがたくさん生え、無数のスジエビが止まっていました。

コンクリートの内壁にはヨシノボリなどハゼ科の魚がびっしり張りついていました。

2006年当時はコンクリの壁にびっしりついていたヨシノボリ。めっきり減りました。

水路では、在来種スジエビも減り、最近は外来種のシナヌマエビに置き換わりつつあります。

水路脇には平らな草地が広がり、しっかり草刈りもされていて、まさに観察会のためにつくられたような場所です。

そこで手網での魚とりイベントを企画し、気づけば今年で19年目となりました。

当日は草地にテントを立て、テント下のテーブルに小水槽を複数並べます。

参加者にはまず、手水研会員と一緒にかご網を仕掛けてもらい、魚が入るのを待つ間、手網での魚とり、通称ガサガサをしてもらいます。

※水路では、かご網を使用するには一般採捕許可が必要です。

現在、特定外来生物ナガエツルノゲイトウに埋め尽くされている水路。でも、植物の下に魚はいます。

捕った魚や水生生物はテントに持ってきてもらい、種類別に小水槽に仕分けしてもらいます。

手水研会員もお手伝いします。

小一時間たったら、仕掛けたかご網を手水研会員と一緒に引き上げてもらい、中身をバケツで運びます。

この頃には捕獲した魚はすごい数になり、現場はてんやわんやです。

自分がとった魚の入ったバケツをしゃがみこんで見ている子、最後までガサガサをやめない子、仕分けを待つ魚を入れた箱(タブネ)に手を突っ込んで、魚を追い回す子。

親御さんも夢中で仕分けしたり、魚を見たりしています。

ガサガサとかご網でとれた魚を仕分けします。

おおよそ仕分けが済んだところで、講師の先生による生き物の説明が始まります。

講師は魚類や水生生物の研究者の方にお願いしているので、説明は専門的で、なおかつ子どもたちにもわかりやすい楽しい内容です。

採取した生きものを持ち帰りたい子もいます。

そういう子には2つの約束、①ご両親がいいと言っている、②最後まで飼う(絶対野に放さない)、を守れることを条件に、魚やエビを持ち帰ってもらいます。

法律で特定外来生物に指定されている生きものは持ち帰りができません。

水路ではカダヤシやアメリカザリガニ、手賀沼ではブラックバス、アカミミガメ、アメリカナマズなどの特定外来生物が捕獲されるので、生きたまま運んではいけない、ほかの水域に放してはいけないなどの約束事も講師が教えてくれます。

講師の楽しい「水生生物ばなし」は親にも子にも人気です。

リピーターのご家族が年々増えたことも、私たちにはうれしい点でしたが、近年、特にコロナ後は観察会は人気が高く、今年6月の観察会も定員30名に対し79家族、219名の応募をいただきました。

現在、参加は抽選です。今年度第2回親子自然観察会は10月19日に開催予定で、近々柏市報やホームページに情報が掲載されます(申込締切10月7日)。

今回も抽選になるかと思いますが、多くの方に関心を持っていただけましたら幸いです。

 初開催から19年。生きものの変遷が直に感じられるのも、同じ場所、同じ季節の開催ならではですが、捕獲される生きものの種数も個体数も少なくなりました。

水路からマツモが消えて久しく、泥は深くなり水は濁り、特定外来生物ナガエツルノゲイトウがいっぱいに繁茂しています。

手水研としても観察会を開くだけでなく、水路の自然再生に何か貢献できないかと考えているところです。

この記事を書いた人

手賀沼水生生物研究会
テガヌマスイセイセイブツケンキュウカイ
プロフィール

手賀沼水生生物研究会は、手賀沼と周辺の「水辺の生きもの」を調べ、知ってふれてもらい、保全するなどの活動を行っている市民団体です。

手賀沼及びその周辺地域に生息する水生生物及びその育成・生息地保全することを目的としています。

その他の記事