フランス人エムリーヌの日本生活2:日本で買い物をする〈後編〉:日本の「おもてなし」

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フランス人エムリーヌの日本生活2:日本で買い物をする〈前編〉:フランスと日本はそんなに違いがあるの?!

English version: Experiencing Everyday Life in Japan with Emeline 2: Shopping in Japan Part 2: Japanese “Omotenashi

こんにちは!エムリーヌです!

前編では、日本で買い物をしてフランス人だからこそ驚いたことについて話しました。それはたぶんどんな国に行っても、フランスと比べたら驚くことに出合うと思いますが、今回の記事では、日本にしかないはずのことについて話したいと思います。

日本では「おもてなし」という概念があります。海外では、その概念がなかなかないので、「おもてなしというのは何?」と思う外国の方が多いと思います。「おもてなし」は心を込めてお客様に出来るだけ最高のサービスや接客を提供することです。

日本の文化の重要な部分であり、日本に来たらどこでも体験できることです。しかし、それによって驚くことがたくさん出てくると思います。私もおもてなしを体験して驚いたことがいくつかありましたので、今回の記事でそれについて話したいと思います。

服や靴を試着すると


戸惑うことの一つは、店で服や靴を試着する時です。

初めて靴を買いに行った時は、日本人の友達と一緒に行きました。気に入る靴を見つけましたが、展示用の靴しかなくて、靴箱が見当たりませんでした。もう売り切れかなと思っていましたが、友達に「サイズは何?店員さんを呼ぶね」と言われました。

「私37サイズだけど…」と答えたら、友達が笑ってしまいました。日本とフランスのサイズが違うことを教えてもらったのですが、日本のサイズが何かわかりませんでした。インターネットで調べたらサイズがわかりましたから、友達が店員さんを呼びました。

箱がなかったらもうないということで、別に呼ばなくてもいいと思っていましたが、「この靴の23.5サイズをお願いします」と頼んだら、店員さんが後ろに取りに行きました。それは少しびっくりしました。フランスの靴屋さんでは、展示用の靴の下に箱が何個かあって、ほしいサイズやカラーがなかったら、多くの場合に売り切れということです。あったら自由に箱を取って、靴を履いてみてもいいです。

店員さんがすぐに靴を持ってきたので試着しましたが、少し違和感を抱きました。店員さんが隣で私が試着するのを見ていて、終わるまでずっと隣にいました。もし他のサイズや他の靴が欲しかったら、店員さんがすぐに対応できるように隣にいてくれるのはわかるのですが、フランス人としてとても変な感じがしました。

フランスでは店員さんはそのようなことを基本的にしません(高級なお店ではするかもしれませんが、行ったことがないからわかりません)。店員さんを呼んで、他のサイズ等を持ってもらうとしても、「もしまた何かありましたら呼んでください」と言われて、店員さんが隣の売り場等に行くのが普通です。だから、靴がけっきょく気に入らなかったら、展示用の靴の下にある他の靴箱と一緒に置けばいいのです。でも、日本みたいに店員さんが隣にいたら、急に「あまり気に入らなくて…」のようなことが少し言いにくいと思いました。わざわざ店員さんを呼んだのに買わないということになったら、本当に申し訳ない気持ちになります。


服を買いに行くと同じことがよくあります。試着室の前で店員さんが待ってくれていますが、それに慣れていなくて、正直に言うと逃げたくなります。私の性格だけだと思っていましたが、他の日本に住んでいる外国人の友達とそういう話をしたら、同じことを感じると言ってくれました。

日本のおもてなし

いろいろな国で、「お客様は神様」のようフレーズがあると思いますが、日本ではまさにそうです。「おもてなし」は日本の文化の一部ですから、接客を丁寧に行うのが普通だと思われています。フランスでも「お客様は王様」(Le client est roi)という言い方がありますが…フランス人は昔の王様の行動に反対して革命を起こした国民ですから、お客様が王様だとしても限界がありますね。だから、フランス人としては店員さんが礼儀正しい態度をとってちゃんと仕事をするのを期待していますが、それ以上特別な扱いをされたら少し心地悪くなります。

フランス人にとって特別だと思える扱いの例を1つ挙げましょう。就職活動を始めたころ、スーツに合うカバンを買いに行きました。支払いをしたら、店員さんが荷物を持って、店の出口まで送ってくれました。カバンは重くなかったし、それほど高くなかったし、別にそこまでやらなくてもいいと思いましたが、日本ではそのようなことがよくあるからなかなか断れませんでした。

一緒に出口まで歩いていたら、店員さんが「今日いい天気で、よかったですね!」と言って、たわいもない話を少ししました。世間話が少し苦手な私にとって、どう答えればいいかよくわからなくて、レジから出口までの短い距離がとても長く感じました。

でも、日本のおもてなしが嫌だとか全然言っていません。旅行した国の中から、日本がたぶん接客が一番よかった国だと思います。ただ、外国人としてはなかなか慣れないことがいくつかあるだけです。

レジに行くと

日本のおもてなしが見えた他のところはスーパーマーケットのレジです。日本では、店員さんが商品をスキャンしたあと、他のバスケットに商品を移して、丁寧に片づけてくれます。フランスと全く違います。

フランスのスーパーのレジには、ベルトコンベアが2つあります。1つ目はこれから店員さんがスキャンする商品を置くためのもの、2つ目は店員さんがスキャンした商品を置くためのものです。しかし、店員さんが2つ目のベルトコンベアに商品を置いたら、すぐに自分のエコバッグ等に入れたほうがいいです。スキャンが終わって支払いをしたら、すぐに次のお客さんの番になるからです。スーパーによっては、スキャンが早い店員さんがいて、買った物を素早く回収してエコバッグに入れるのが難しいこともありますから、少し準備をしておかなければなりません。

それに比べたら、日本は本当に楽ですね!

この記事で、日本に来たばかりの時買い物をして驚いたことについて話しました。海外に行くと、つい母国と比べてしまいますが、文化や習慣が違うから仕方がないと思います。大事なのは、自分の文化や習慣だけが正しいと思わずに異文化を理解しようとすることです。

私も最初は戸惑っていることが多かったですが、日本の文化や日本人の習慣について調べてだいたい理解できるようになりました。慣れないところがまだありますが、嫌だと思うより、「こんな違いがあって面白いな!」というふうに考えています。

日本で買い物をするのは基本的に楽で、面白い店やかわいい店がたくさんあるので楽しいです。柏市にもそのような店がたくさんありますから、ぜひ来てみてください!どこに行けばいいか迷っていたら、kamonかしわインフォメーションセンターでご案内するので、ご来館ください!お待ちしております!


この記事を書いた人

フランス出身

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エムリーヌ
エムリーヌ
プロフィール

フランス出身のエムリーヌです。覚えにくい名前なので、エムちゃんとよく呼ばれています。

2019年9月に、修士論文の研究をしに交換留学で日本に来ました。慶應義塾大学の三田キャンパスに通っていましたが、最初から柏に住んでいます。地元が割と小さい町で、東京より柏のような町のほうが心地よさそうでしたから。まだ柏のことがそれほど詳しくないのですが、kamonでアルバイトを始めてから、毎日柏について新しいことを学んで、柏のことがだんだん好きになっています!

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