フランス人エムリーヌの日本生活1:就職活動〈前編〉:日本と海外の就職活動の違い

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エムリーヌ
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English version: Experiencing Everyday Life in Japan with Emeline 1: Job Hunting Part 1: Differences Between Job Hunting in Japan and Overseas

こんにちは!

kamon案内担当、フランス出身のエムリーヌです。

本日は日本と海外の就職活動の違いについて書こうと思います。

去年は就職活動を行いましたが、困っていることやわからないことが山ほどありました。本稿では、自分の就職活動の経験についてお話ししながら、日本での就職活動の仕方をご説明したいと思います。場合によって就職活動の仕方が全く違う形式になることがありますが、この記事が日本で就職しようと考えている外国の方に少しでもお役に立てれば幸いです。

最初に私のプロフィールを紹介して、どんな状況で就職活動を始めたかをご説明したいと思います。

高校を卒業してから大学に入って、子供の時から外国語を勉強するのが好きで、日本のことについて興味があったため日本語を専攻にしました。6年間一生懸命日本語を勉強していましたが、ようやく2019年9月に交換留学で日本に来られました。修士課程の2年目に入ったばかりのころでした(フランスでは、新学年が9月からになります)。留学期間が終わったら、フランスに帰って卒業して、フランスで就職活動を始める予定でした。

しかし、新卒だとフランスでは仕事が見つかりにくいそうで、卒業した後何年間も無職のままでいた友達もいると知っていて、そのような将来の見通しが怖かったです。よく考えた結果、せっかく長い間日本語を勉強したので、日本で少し働いてみて経験を積んでもいいと思って、日本で就職活動を始めました。

就職活動って何?

先ほどから就職活動について話していますが、就職活動というのは何ですか?就職活動といえば、アルバイトやパートではなくて、正規雇用のことです。ワーキングホリデービザだとアルバイトやパートタイムだけで大丈夫だと思いますが、就労ビザを手に入れたい人にとっては正規雇用を目指したほうがいいと思います。契約社員や派遣社員だと就労ビザをもらえないことはないそうですが、難しいと思います。

フランスでの就職活動

フランス生まれフランス育ちの私にとって、日本の就職活動は未知の世界でした。仕事を探し始めたころは日本に来て半年くらいでしたから、わからないことがまだ多すぎて、どうすればいいか全然わかりませんでした。だって、日本とフランスの就職活動は全く違いますよ。

フランスではパートタイムでしか働いたことがなかったのですが、フランスで「アルバイト」という概念があまりない気がします。フランスで、「正社員」「契約社員」と「派遣社員」しかなくて、パートタイムでも3つのカテゴリーの1つになります。例えば、パートタイムのころは、有名なファストフードのチェーン店で働いていたのですが、正社員でした。だから、フランスで“アルバイト”っぽい仕事を探していても、普通の就職活動とそれほど変わらない気がします。

フランスでは、基本的に学校を卒業してから就職活動が始まります。学校に通いながらインターンシップ等をするのは普通ですが、本格的に就職活動をする人は少ないと思います。なぜかというと、会社から内定をもらったらすぐに入社するのは普通ですから。

そのため、フランスで「就職活動」の時期ということはありません。いつでも始まってもいいですが、会社が雇っているかどうか、いつ雇っているかはわからないので、運とタイミングが必要だと思います。

そして、就職活動の仕方が特に決まっていないです。求人を見て応募する人もいるし、入りたい会社を自由に応募する人(spontaneous application)もいるし、インターネットで調べて応募する人もいるし、ハローワークのようなところに登録する人もいます。

しかし、どんな会社の探し方でも、応募の仕方がほとんど同じです。履歴書とカバーレター(志望動機や自己PRを書いて自分をアピールする資料)を会社に送って、会社が興味を持ってくれれば面接を基本的に1回しに行くことになります。1回以上面接する会社はあまり聞いたことがありません。

面接質問は日本と違うこともありますが、流れは基本的に変わらないと思います。一番大きい違いは服のことだと思います。フランスでは、スーツを着る人が少ないです。特に女性は少ない気がします。スーツに近いところもありますが、個性が少し見える「ビジネス・カジュアル」というスタイルのほうが一般的です。

就職活動をするフランス人の男性が着る服の例
就職活動をするフランス人の女性が着る服の例

日本で就職活動を始めた時点では、そのような就職活動の仕方しかわかりませんでした。調べれば調べるほど、日本での就職活動は割と違うとわかりました。

日本の新卒採用と中途採用の違い

フランスでは、学歴が大事なのですが、ほとんどどんな会社でも経験や能力のほうを重視しているので、卒業したばかりの人にとっては難しくなることもあります。

日本では実は逆です。新卒のほうが就職しやすいそうです。

正規雇用が新卒採用と中途採用、2つに分かれています。中途採用は転職活動を行っている人に向けているので、経験や能力のほうが重視されています。

新卒採用は学校を卒業したばかりの人に向けているので、経験等はあまり関係なくて、学歴と潜在能力のほうが重視されています。

卒業したばかりの人といっても、実は卒業する前に探したほうがいいです。卒業してから探し始めたら内定をもらう可能性が低くなります。そのため、日本人の大学の3年生や4年生がほとんど皆さん就職活動をしています。

入社は基本的に4月になるので、入社したい年度より1年半前から始めたほうがいいとよく言われています。例えば、2022年の4月に卒業する予定なら、2020年の夏休みくらいにインターンシップをやったり自己分析や会社の研究をしたり就職活動のイベントに参加したりして始めればいいとよく言われています。

私が就職活動を始めたのは修士課程の2年目の後半くらいで、大学院を卒業する直前だったので、その新卒採用のほうに行くのに本当にぎりぎり間に合いました。

この記事で説明するのは新卒採用のことなので、日本で就職したい留学生に役に立つ情報をお伝えしようと思います。

日本の就職活動に向けての準備

日本の就職活動をできるだけうまく行うのに、どのような準備をすればいいかご説明したいと思います。

最初は日本語能力試験を受けることです。新卒として採用されるには上級の日本語レベルが多くの場合に必要です。会社が求める上級のレベルといえば、せめて日本語能力試験の2級レベルなのですが、1級レベルのほうが望ましいです。

日本語能力試験を知らない方にとって、簡単にご説明します。それは5レベルに分かれているテストで、5級が初級レベルに相当していて、1級までだんだん難易度が上がっています。

日本語能力試験を受けられるのは年に2回(7月・12月 ※年に1回しかない国や地域もあります。 ※コロナウイルスの影響で試験が中止になったところもあります)しかないので、早めに受ける準備をしたほうがいいと思います。


それ以外に準備するのは履歴書です。日本式の履歴書は海外の履歴書と違う形になるので、よく調べて書いたほうがいいと思います。フランスでは、履歴書が割と自由に書けますが、1枚以上にならないように気を付けたほうがいいといわれています。1枚以上になったらリクルーターが飽きてしまう恐れがあるからです。

日本では違います。多くの場合は2ページの形式で書かないといけません。日本の履歴書では、志望の動機も書かなければならないのですが、これも海外との違いです。フランスでは、志望の動機をカバーレターで書くので、もっと詳しくて長く説明できます。日本の履歴書ではそれを書く場所が大きくないため、簡潔に書かないといけませんが、母国語ではない言語で簡潔に書くのが難しいですね。

でも、履歴書に関して一番驚いたのは、手書きで提出しないといけない場合が多いことです。海外では印刷したものをそのまま提出するのは普通です。最近、日本でも印刷した履歴書を提出してもいい会社が少し増えてきましたが、どうしても手書きの履歴書が欲しい会社だったら、修正テープ等も使えないことを覚えておいてください。書く時は間違わないようによく集中して気を付けないといけません。

履歴書に写真を載せないといけませんが、その写真に関するルールがいくつかあります。写真をスーツ姿で撮らないといけないのは一番驚きました。すでに言いましたが、フランスでスーツを着る人があまりいないので、日本ではスーツを着る必要があるのはびっくりしました。証明写真を撮りに行った時は初めてのスーツ体験で、違和感でしかありませんでした。

日本ではスーツの文化がまだ強く残っていて、スーツを買うのは就職活動を始める準備の一つになります。結構お金がかかるので、大学生の時買うのは大変だと思いました。

今日はフランスと日本の就職活動の違いやそれぞれの特徴について書かせていただきました。長くなりましたので、今日はここまでにしますが、次の記事では、日本の就職活動の仕方について詳しくご説明しようと思います。

もしよろしければ、ぜひその続きをお読みください!

後編: ↓ ↓
フランス人エムリーヌの日本生活1:就職活動〈後編〉:日本での就職活動の仕方

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エムリーヌ
エムリーヌ
プロフィール

フランス出身のエムリーヌです。覚えにくい名前なので、エムちゃんとよく呼ばれています。

2019年9月に、修士論文の研究をしに交換留学で日本に来ました。慶應義塾大学の三田キャンパスに通っていましたが、最初から柏に住んでいます。地元が割と小さい町で、東京より柏のような町のほうが心地よさそうでしたから。まだ柏のことがそれほど詳しくないのですが、kamonでアルバイトを始めてから、毎日柏について新しいことを学んで、柏のことがだんだん好きになっています!

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