柏の生き物1:柏のニホンミツバチの分蜂

柏マニアNo.
13
小川
オガワ
幸夫
ユキオ

ファーム小川

プロフィール詳細

こんにちは、小川と申します。
柏市で農業をしています。仕事をしているとたくさんの生き物たちが目の前に現れます。私はその生き物の存在で日々癒やされているのですが、ここではそんな生き物たちのお話を季節ごとにお伝えできればなあと思っています。

今回は柏のニホンミツバチ、特にその分蜂(ぶんぽう)についてのお話(お願い)です。
まずニホンミツバチについてですが、みなさん蜂蜜や作物の受粉で必要な虫だとよく知っていて、とても身近な存在ですよね。
ちなみにミツバチと言っても日本には蜂蜜生産のために飼われているセイヨウミツバチと日本に昔から住んでるニホンミツバチがいます。そして後者の在来のニホンミツバチが希少で貴重なミツバチであることも多くの人が知っているところです。

さてこの在来のミツバチ、柏市はこのニホンミツバチがたくさん住んでいる街なんです。じつはニホンミツバチにとって柏市はとても住み良い街なのですよ。嬉しいですね〜。誇りに思っていいです〜笑(これについては話が長くなりますので割愛)
そんなニホンミツバチの分蜂(ぶんぽう)シーズンが3月末〜5月なので今回真っ先にお話ししたかった次第です。

分蜂とは春にミツバチたちが巣分かれする分家(ブンケ)のことを言います。
分家することにより一族の血を絶やさないようにするのです。通常はシーズン中に2〜3回の分蜂が行われます。よく騒ぎになってテレビのニュースになるので知ってますよね?
ただなかなかその現場を見ることがないので、実際に目の当たりにすると皆パニックになるものです。

数千、数万匹のミツバチが巣分かれで移動するため、その時の空はミツバチで真っ黒になります。その間わずか10分ほど。短い時間なので多くの場合は人間が気づきません。いつの間にかニホンミツバチたちは近くの木の枝にかたまります(このかたまりを蜂球“ホウキュウ”と呼ぶ)

この現象を万一見かけたらどうかそのまま放っておいてください。どうぞ周りの人にも教えてあげてください。滅多に見ることのできない分蜂を見れたらラッキーなんです。
ミツバチたちは1〜3日中には自然と飛んで行っていなくなります。ミツバチたちが新しい住処を探す一時的な休憩で、分蜂中は何もしなければ特に刺されることもありません。
どうしても困る時には市役所へ相談してください。ただし駆除でなく保護するよう頼んでほしいのです。

私のほうへ色々な方から相談の連絡がありますが、到着までに殺虫剤をかけられて死んでることがあります。人間側がパニックになってのことでしょうが、落ち着いて行動すれば何も困ることはありません。

繰り返しますが柏市にはたくさんのニホンミツバチが住んでいます。私は本来ニホンミツバチは飼うものではないと思ってますが、実際は飼う(巣箱を置く)ことでニホンミツバチを人がよく理解できます。ミツバチのほうも助かります。蜂蜜をミツバチたちから少しおすそ分けしてもらうという気持ちからでも構わないので、飼うことでミツバチを好きになってもらえたらなあと思います。

ミツバチの生態やらたくさん書きたいのですが、切りがないのでこのくらいで。もっと知りたい人は連絡くださいね。

この記事を書いた人

慶応大学 環境経済・農業経済

ファーム小川

小川
オガワ
幸夫
ユキオ
プロフィール

南増尾の農家「ファーム小川」代表。

慶應大学経済学部卒業後、農業機械メーカーを経て就農。

野菜と生き物の共生を追求した農業を展開し、完全無農薬栽培を実践。約1.5haの畑で100品目500品種の野菜と果樹を栽培し、市内の直売所やマルシェなどで販売をしている。

農業界の“ムシキング"と呼ばれるほど昆虫を愛し、日本ミツバチの保護にも取り組む。

2018年には著書『農薬に頼らずつくる 虫といっしょに家庭菜園』を発売。

参考サイト

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