森 です。
いや小齋ですけど。話は森についてです。
「都心から一番近い森の街」-。
有名なフレーズがあります。初めて知った時、これってグッときましたね。
子どもが家族にいたりすると、そんなところで子育て出来たら、、うん。
理想的な暮らしがイメージできる、、なんてところですよね。流山市のイメージが大きく変えた一つだと思います。
で、都心から近い森はどこか。
どこを都心と定義するかにもよるけれど、東京の都心、丸の内を基準に考えて、、松戸市の紙敷とか、市川市の大野のあたりとか、大きく人の管理が入った森なんかは、
松戸の21世紀の森、調布の深大寺、川崎の生田緑地、このあたりは20kmを少し超える程度でしょうか。
規模が小さければ、等々力なんて15km位ですかね。学生の時に、東横線に乗りながら、大倉山(駅)の近くに森があるなぁ、、とかも思いました。まさに大倉山なんですけど。
実は、流山市の森は都心から一番近いわけではないよなぁ、と思うわけです。おおたかの森の由来的な市野谷の森は25kmくらいですかね。
別にディスってるわけではなく。でも「森の街」となったら、話は変わるなぁ、、なんて。
衛星の写真を眺めてみると、流山市域はこの20年位で、超急速に市街化が進んでいて、この20年なんてのは、そりゃ住環境をデザインしながら開発を進めている時代なので、近隣と比べても森が良く残っていますよ。
で、そこをウリにして、「森の街」としてプロモーションかけているんだから、途端にそれがリアル感を伴ってくるわけです。
もちろん森ってことだけではなく、様々な視点からのプロモ戦略ではないですが、うなるわけですよ。
だから、「都心から一番近い、森の街」は流山ってこと、特に異議はないんです。だからディスってないわけですよ。
結構リスペクトです。
ただね、その森に行くには、駅からそこそこ離れているんです。「森」の街だけど、森を感じるシーンは、駅からそこまで行った先にあるわけです。
一方。
都心から、地下鉄に乗って、最初に出会う森。
千代田線で小一時間乗った先の、車窓目の前に、大きな自然林が広がる場所が、この世の中にはあるんです。
小さい頃から、遊んでた場所です。住所でいうと、それこそ我孫子市になります。
カブトムシやクワガタがいるし、なんだかでかすぎるナメクジがいたり、とか。で結構暗いので、ちょっと薄気味悪い感じだったのをよく覚えていて。
で、当時からそこそこ荒れていた、、のが近年はかなりの荒れようであって、竹林のあたりは猛烈に竹が折り重なって倒れていて、嵐が来たあとにはそれが大幅に増えていて、
雑木林の方なんかは、人が入る余地もない感じで、雨上がりに入ると、一瞬で10匹ずつ程の蚊が両腕に吸い付いてくるような、んーーなんだかなぁ…なんて思ってました。
森の中に、舗装はされていない市道(認定道路!)が通っているんですが、斜面を下るあたりなんかはは、年を追うごとに道幅が狭くなっていって、夏場は草に覆われて、オブローダーでもない限り人が通れなくなってしまうような。。
ひとことでいうと、残念な森だったんです。
少し古い航空写真を見ると、猛烈な竹やぶは、畑だったようで、耕作放棄となった農地が自然植生に覆われていく様子が、いくつかの年代の写真でわかりました。
「なるほど、結構見放されてしまったんだな・・・」そう思ったのが、2021年。夏ごろだったかなぁ。
まだ毎年恒例のハロウィンの準備に取り掛かる前だったかと。「でも、ここが遊び場に戻るんなら、最高ちゃうの?」と思ったのが、それから時間を下って5秒ほどの後。
この森の土地の登記を全部調べて、30くらいの地権者がいるんだと思いながらも、連絡をしてみることにするかな、、なんて思ってました。
へー、ここは神社がもってんだー、とか思いながら。東京から出る線路沿いの森を調べてみたら、まぁ多分ここが都心から一番近いんではないかと、衛星写真を見ながら勝手に確信しました。線路から離れたらいくらでもあるけどね、なんて思いながら。
小齋は「北柏楽しいことやっちゃおうプロジェクト」、略して「きたかしYP」という任意団体を2019年に立ち上げたんですが、それまで有志としてやってた「キタカシワハロウィンナイト」なんかもそのYPで巻き取ってやってました。
2021年のハロウィンナイトは、ヌマブクラブのメンバーともコラボさせてもらったので、そのヌマベのメンバーが参加するテガヌマウィークエンドに挨拶を兼ねてフィッシングセンターへ行ったのが、ハロウィンナイトの前日、2021年10月30日。
過去にも何度か実はお邪魔してましたが、その時に見た光景、曙橋の風景が、「あ、この竹灯篭。我孫子の駅前でもなんか見た。最近なんか見た。」だったんです。
その時に、多分EDGE HAUSの油原さんかどなたかに、「これやってるのってどの人ですか?」なんて聞いたら、住み良いの人たちだよ、あっちで教室やってる、とかいうことでした。
そこでは、留守番をしている方とお話をして、今いないから、なんてことで名刺だけ渡して、北柏に帰って翌日の準備を続けていました。
そしたら、夕方近くになって電話がかかってきてね。そのおじさんが言うには、「夜になったら最高だから、是非見に来て!」とかって言われた瞬間、電話はブツ切れされてて・・・本当にハロウィンナイトの準備がクッソ忙しい中、何人か誘って行きましたよ。
夜の曙橋。
そしてその幻想的な、竹灯篭が灯す明かりに感動していたら、声の大きなおじさんと出会いまして、それが先ほどの電話口の相手であることは直ぐにわかりました。
年が明けたある時、そのNPO法人住み良いまちづくり研究所の米澤さんに、ふと相談をしてみたんですよ。
竹林整備をやった副産物が竹灯籠で、この整備のノウハウはそれこそ何年もかけてつかんできたっていう張本人に。
「ちょっと、その森見に行こうよ?」
「こんな森、もったいないじゃん」
「ここは柏市なの?我孫子市なのに我孫子の人が放置してて柏の人がやろうなんてさぁ、悔しいじゃん」
「段取り決めて、まずちょっとやってみようよ」
みたいな流れだったと思います。
初めて整備を行ったのが、2022年の1月30日。
古墳がある。城跡がある。でもそんなことだけではない価値がある。
それはこの場所に足を踏み入れたからこそわかる価値なんですよね。
そして半年が経ちました。
「都心から一番近い『線路沿い』の森」では、この前の8月6日、7日の2日間にわたり、「なつやすみ 森の映画上映会」を開催しました。
キネマ旬報シアターの江崎さんのお力添えがあって、短い準備期間の中でも、素晴らしいイベントとなりました。
上映タイトルは「マジック・ツリーハウス」。
だってさ、あそこの線路から見えるあのおっきな木にツリーハウス作ったら、相当楽しいと思うよ。
電車乗ってて、森の家から明かりが漏れてるのが見えたら、めっちゃわくわくするよね。
えーっと、どこだっけ?
北柏ね。
そう、北柏駅徒歩5分の森は、凄いんです。
映画を上映した、「北星照ラス」からは手賀沼のきらきらした水面が見えて、風が吹き抜ける最高の場所。
カブトムシも相変わらずです。
こんな場所、本当に奇跡のような場所。
平成の頃にはこの一体全部を区画整理で開発するといったこともあったりした、その後には墓地建設が持ち上がって住民の一大反対運動があった。。
でも森自体半ば見捨てられていた。そんな場所。
そうそう、今度の8月27日には竹林トリオと友人のGirasoulのMAMIが、この北星照ラスでライブをやります。
もうそれは一つの文化が芽生える瞬間になるかもしれません。
でも、奇跡って、なんだけど、結局人と人の出会いなんかが、それなんですよね。これがなかったら、この森の再生も無かった。(いやまだ途上です。すません、はい。)
だから、出来るんですよね。
そうは簡単に起こらないものでもないんだけど、起こり方は一期一会。
だから大事。つまり奇跡なん、かしら?東京から、森に行きたい!となったら、そう、千代田線に乗ってみよう。
これです。北柏。
※この森の一帯は私有地です。お越しになる際には、どうぞご連絡ください。
<ご連絡先>
北柏楽しいことやっちゃおうプロジェクト代表
小齋 090-3907-3437