「ブックススズキ、閉店しちゃうらしいですよ」
うちの法人のケアマネージ兼デイサービスの責任者兼副施設長(他にも工務店や動画クリエイターもやっている)が訪問介護から帰ってきて、
そう教えてくれたのは、今年の初めの頃だった気がします。
以前、私がここの施設に来て間もない頃、副施設長(他の仕事は割愛)が私に会わせたい人がいるとブックススズキに連れてってくれ、
そこで会ったのが千里さんでした。
第一印象はおめめも髪の毛もクリクリしてベティちゃんに似てる、、、
(もちろん褒めていますよ♪)
話をすると、物腰が柔らかいながらも芯のある落ち着いた大人の女性で、私はすぐに大好きになりました。
「子供達の居場所になるように、ここを絵本専門店の本屋さんにしたのよ」とニコニコと話してくれたのが印象的でした。
そこからしばらく会うことはなかったけれど、縁があって千里さんのお母様をうちの施設でお世話させて頂くこととなりました。
千里さんのお母様はなんと御年99歳!!
まだまだしっかりはしていて、歩行にふらつきはあるものの、心配りや気遣いのできる素敵なおばあちゃまでした。
聞けば若い時から頭脳明晰で、ご結婚されてから早くにご主人を亡くし、都庁で働きながら3人のお子さん達(末っ子が千里さん)を立派に育てたそうです。
もちろんその自信やプライドもあってか、最初はご自身が施設で介護を受ける事に抵抗もありましたが、時間が経つにつれ、
そしてご自身の身体の不調が増えてくるのにつれて徐々に介護を、そして私達を受け入れてくれるようなりました。
そんなこんなで、何度かの入退院を繰り返し、施設に戻ってきた時には状態はかなり悪くなっていました。
゛これ以上する治療がない”と言う家族の覚悟を感じられたほどでした。
そんな中、「来月の母の100歳の誕生日は兄妹揃って盛大にやる予定です」
と笑顔を見せた千里さんに、私はうなずくだけしかできず。
思い起こせば、正直、不安と希望の入り混じった顔に、くっきり縦線が入っていたと思います。
しかし、そこからのお母様の頑張りはすごかった!!
病院ではほとんど食事もできず、傾眠が続いていたそうですが、施設に戻ってからは、私達の予想を覆すように、声掛けに手をあげて反応し、お礼を言い、お寿司レクに参加してネギトロやメロンを口にすることもできました。
そしてそのまま小康状態が保ち、待ちに待った100歳のお誕生日を迎えることができたのです!!(こぶしを握る私!)
100歳の誕生日は施設のエントランスで感染症対策を取りながら、3人のお子さん達がお互いの伴侶と手を合わせ両手でアーチを作り、
その中をお母さまが手を振りながら登場しました。
きっと家族も、今までいろんな思いがあったんだろうと思います。
うまくいっている時、そうでなかった時。
けれど、全てが浄化されるようなみんなの笑顔がそこにはありました。
そしてそれは、私の介護の仕事の1ページに残るような素敵な空間でした。
ここでちょっと裏話。
ほんの少しだけお祝いに花を添えるつもりで、私がお母さまとそして娘様、息子様の似顔絵を描かせてもらったんですが、私は千里さん以外のご兄姉に会った事がなかったので、面識のあった相談員に事細かに特徴を教えてもらい、全て想像で描いたところ、
それが案外似ていたので一安心でした♪v( ̄Д ̄)v イエイ
そして余談ですが
ブックススズキは生まれ変わって古民家で子供達が絵本を好きに読めるスペース作る為、
ちゃくちゃくと準備中らしいっすよ♪
その時がきたら、また皆様にお知らせしますね!