こんにちは。「かしわカレー図鑑」の編集長の波木です。
「かしわとカレーのよもやま話。」3回目は、かしわカレー図鑑の本誌で「プロ直伝!華麗なるレシピ」を担当している、料理研究家の大瀬 由生子さんに話を聞きました。
大瀬さんは「一般社団法人 日本糀文化協会」の代表理事で、日本の伝統的な食文化の発酵食品を研究し、料理を通して広める活動を行うほか、食育にも力を入れています。
食べることは一生続くものだからこそ、食の大切さと伝統的な食文化の素晴らしさを、次の世代に伝えていきたいのだそうです。
—大瀬さんがレシピを考えるときに、こだわるポイントはどこですか?
「手間やお金をかけなくても美味しくできるレシピを作りたいと思っています。
とても簡単なのに上手くできた!というウキウキ感って料理を作るときのモチベーションになるでしょ。料理をあまりしない人でもオシャレなカレーが簡単にできると嬉しくなって、今度は誰かに作ってあげたくなる。そして何度か作るうちに「もっと美味しくするにはどうしたらいいかな」って考えるようになる。 そうやって食を楽しむ人が増えるきっかけになれば嬉しいですね。」
—入手することが難しいスパイスを使って、手間暇かけて調理するカレーもいいものですが、大瀬さんのレシピは料理が苦手な人でも、思わず作ってみたくなりますよね。
「そう!しかも、食材がスーパーで手に入って、少ない材料で作れるということも大事だと思います。お取り寄せしなくても近所で「ひき肉と玉ねぎとパプリカの3つを買えばできる!」となったら、料理してみよう、という気持ちになるじゃないですか。
その限られた材料と時間の中で、簡単で美味しく仕上がる「引き算したレシピ」を作りたいです。
時短料理は習う方は簡単だけど、レシピを作る側は知識がないとできない。完成されたレシピから勝手に何かを引いても美味しくはならないからね。
そして「誰もが美味しく手軽に作れる」とか「みんながそれを食べてコミュニケーションが生まれる」とか、おうちのごはんはそういうことが大事。
スペシャル美味しい料理が食べたければ、レストランでプロの味をどうぞ、と思っています(笑)」
—そんな大瀬さんが好きなお店のカレーはどれですか?
「柏には美味しいカレーがたくさんあるから迷うけど、農家レストラン『さんち家』の「さんち家カレー」かな。」
—柏産の野菜料理にこだわった、ビュッフェ形式のレストランのカレーですね。
「実は私がレシピ監修をしているお店で、ここのお料理は、添加物や動物性食品を使わないことにこだわっています。だからカレーにもお肉を使わず、別の料理で使った野菜くずからブイヨンを作ってカレールーを仕込んでいるのです。
レストランのコンセプトを守り、限られた条件の中で妥協していないところが好きです。
自分が関わっていることもあり、作っている人の苦労を知っているので、本当にすごいな、と思っています。」
—「お店で食べるカレー」「友達や家族に作ってもらったカレー」「自分で作ったカレー」など、いろんなカレーがありますが、どうやって作られたか、その想いを知ると、より美味しく感じられるものだと思います。
それに、自分好みに作ったカレーに「美味しい!」って共感してもらえることって、すごく嬉しいこと。
誰かのために料理を作りたくなったら、かしわカレー図鑑の「プロ直伝!華麗なるレシピ」のカレーを作ってみてくださいね。