ヌマベクラブの柏マニア第二弾は「手賀沼の環境と遊び」。
今回は、ヌマベクラブの一員、“手賀沼まんだら”の渡辺れいさんに、バトンタッチします。
(手賀沼まんだらHP:https://teganumamandara.mystrikingly.com/)
毎月第3日曜日に、手賀沼フィッシングセンター内「ミライいのち池」で行っている生きもの観察会では、れいさんに先生を務めていただいています。
そんなれいさんの目から見る、今の手賀沼、ご覧ください。(ヌマベクラブ・鈴木)
はじめまして。“手賀沼まんだら”の渡辺れいです。
“手賀沼まんだら”は、子どもたちに野遊びさせることを目論む親たちによる、地縁コミュニティです。今回、私は、「手賀沼の環境」というテーマでお話しさせて頂きます。
手賀沼の環境なくして、“手賀沼まんだら”は生まれなかったからです。
みなさんは「遊び」にどのようなイメージをお持ちですか?「遊び」の特徴は「自分からやる」「満足するまでやる」「楽しいと言うご褒美がある」という、
この3つだそうです。
「遊び」をとおして、さまざまな感情や時空間を体験し、発達に必要な身体能力や社会性が自然と身に付きます。
このような成功体験を重ねた子どもは、より主体的にヒト・モノ・コトへ関わっていけるそうです。
でも実際はどうでしょう?
「遊び」以外のもの、与えられた「勉強」「習い事」、大人なら「仕事」に時間を取られ、区切られ、成果を上げるよう求められ…、
気づけばお金を介した関わりだけになってはいないでしょうか?
実は、手賀沼の環境にも同じことが言えるのではないかと考えています。
流域の景観は、台地の畑や雑木林から、斜面林、水路、水田、水辺植生、沼へと異なる環境がコンパクトに連続する「エコトーン」で特徴づけられます。
昔から人々が生業のため、または暮らしに利用するために、それぞれの環境に継続的に関わり、結果として「里地・里山」と呼ばれる状態が維持されてきました。
現在、エコトーンは、行政界や管理区分と言った見えない境界線で区切られています。
私たちは、それぞれの環境に関わることはありません。暮らしに必要なものはお金で買えるし、維持管理は行政や管理者にお任せしているからです。
しかし今、行政予算の不足や担い手不足のために、エコトーンの劣化は著しく、本来の生態系が既に失われている、又はいつ失われもおかしくない状況です。
私たちは、流域の環境に新たな価値を見出さなくてはなりません。
消費や管理の対象としてではなく、新しい発想で環境に関わるためには、好奇心に従うこと、想像力を働かせ、自分の手で創り出すこと、熱中して時間を忘れること…、
つまり「遊び」が重要な役割を果たすと考えています。
荒れた竹林や、生きものがいない水路、ゴミだらけのヨシ原、私たちは隠すことなく子どもたちに見てもらいます。
どうしたらいいか一緒に考えよう、思いついたことを一緒にやってみよう、と投げかけます。
その過程で、家や学校では決して見られない、子どもたちの新たな一面を見ることができます。
それを私たちは、我が子の成長のように喜び合います。大人である私たちが、手賀沼の環境に責任を持って関わる姿を見せられるのも喜びです。
それだけの価値がある場所なのだと、子どもたちに感じて欲しいと願っているからです。
皆さんも是非、童心に戻って、自由な発想で手賀沼の環境に関わってみて下さい。
ずっとここで遊んでいたい、そんな気持ちを思い出して下さい。
手賀沼の未来がワクワク、楽しみになりますよ!