こんにちは、所英明です。
ホントの話、今年の夏は本を手にする余裕もなくアタフタと過ぎて行く。もうお盆を過ぎて、夏も後半だもの。
昔はのんびり、ぼんやり、好きな本を読んでいた。随分贅沢な時間を持っていたような気がして来ます。いや、そんなことないよ、その時は単にヒマで、誰からも求められてもいなくて、アタフタしている今のお前は幸せなんだよ、そんな声もどこからか聞こえてきます。そうかもしれません。でも、そんなポケーとして次から次へと手にとっていた本たちが、今になっていかに自分を助けてくれることか。その頃読んだ本は、ぼくとっては親友のようなものです。
■本まっち柏との出会い
もう、8年も前。またもやポケーとしていた頃、「本まっち柏」のみなさんと出会いました。きっかけは、柏の東口まちハズレに佇む児童文学専門新刊書店「ハックルベリーブックス」の店内に貼られた小さなチラシ。
ん? むむむ。これは…。谷根千でやっている一箱古本市じゃないか。柏でもやるんだ!
日暮里から根津、千駄木辺り(通称、谷根千)で2005年に始まった一箱古本市。それは、出店者一人ひとりが段ボール箱一箱分くらいの古本を持ち寄って通りで売る、というイベント。いわば古本のフリマです。参加者は、マップを片手に谷根千の路地裏を縫うように歩き、古本と出会い、店主さんと出会いながら、のんびりと巡る。今では全国各地に広まった、本好きにはたまらないイベントです。
それを、柏でもやろうというグループがいるんだ…! ぼくはわくわくし、ハックルベリーの店主さんに参加を申し出ました。
■まちの活動に参加するということ
それから、色んなことがありました。
今年の春の開催で、「本まっち柏」の自主開催は16回目になります。第1回の本まっち柏終了後のミーティングに初めて参加した時は、ひとりも知り合いが居ませんでした。本まっちの活動を通じて、柏という「まち」はぼくにも少しずつマッチングされて「地元」になって来たのです。手づくりての市や様々なイベント等にもその都度参加させて頂きながら、「柏を本のまちに」という目標を掲げ、本活倶楽部として活動してきました。
毎月飽きずにミーティングも重ねて来ました。基本ボランティアベースで、出店料500円を原資に自慢のチラシで広報し、柏市柏三丁目界隈(いわゆるウラカシ)のたくさんの魅力的なお店の軒先をお借りして開催を続けて来ることができました。
本活倶楽部に最初に集まった方々の多くは、今では多方面に広がり、それぞれの領域で多くのことを成し遂げています。残った我々も少しずつ新しいスタッフを迎えながら、今も工夫と試行錯誤を重ねています。
そして、毎回のように参加してくださる出店者のみなさんたち。開催日に足を運んでくださるたくさんのお客様。たくさんの人たちが、それぞれの思いを持ち寄って成立している…。ぼくらの活動ではあるのですが、もうぼくらだけの活動ではないのかも知れない。
ボランティアベースの活動の報酬は、お金ではありません。でもその代わりに、何か他のものを頂いている。だから続いているのだろうと思います。
■今月の本/著者■とぶ船 ヒルダ・ルイス作(石井桃子訳、岩浪少年文庫)
今月は子どもの頃からの愛読書をご紹介します。ピーター、シーラ、ハンフリ、そしてサンディの四人はイギリス人の兄妹。ある日ピーターは海辺の町ラドクリフで、見知らぬ通りに迷い込みます。そして、ある古ぼけた店のウインドウの中に、小さな船のおもちゃを見つけます。もちろん、それが魔法の船だとは知らずに。それがすべての冒険の始まりでした。‥‥
船を手にした子どもたちが、数々の冒険を重ねて、やがてその船とお別れするまでの物語。
大人になること、夢を叶えること、兄弟や友だちを思いやること。書かれた時代は古いのですが(1939年原著刊行)、大事なことがいっぱい詰まった古典ファンタジーの傑作です。
気になった方は、是非ハックルベリーブックスにご注文下さい!
本まっち柏 ホームページ
https://honkatsukurabu.wixsite.com/hon-match
本まっち柏facebookページ
https://www.facebook.com/honkatsu500/
ハックルベリーブックスホームページ
http://www.huckleberrybooks.jp
一箱古本市(不忍ブックストリート)
https://sbs.yanesen.org